Cursorを入れて、自分のコードがAIに書き換わったdiffを初めて見るまでにやることは4つです。配布ページから自分のOSとアーキテクチャに合う版を落とす、起動してサインインする、リポジトリを1つ開く、Cmd+I(Windows・Linuxは Ctrl+I)でサイドペインを開いて変更を1つ依頼する。依頼が通れば差分が出るので、それを確認します。利用枠・通信・権限・指示の中身によっては差分まで進まないこともあります。公式のクイックスタートも、サインイン → Cmd+I でAgentにコードベースを説明させる → 変更を頼む → diffビューで確認、という並びで書かれています(Cursor Docs Quickstart 2026-09-20確認)。
詰まるとしたら手順ではなく、そのあとです。補完が出ない、サインインが弾かれる、Agentが目的のファイルを読まない。この記事は手順を並べたうえで、公式のトラブルシューティングに載っている症状と対処を1枚の表にまとめます。
この記事の日付について。 2026-09-20に調査・執筆し、公開日の2026-10-04に配布ページ・料金ページ・料金ドキュメント(Models and pricing)・Tab / Inline edit / Tab issues のヘルプ・Rules・Run modes・キーボードショートカットの各ページと changelog を一次資料で再確認して更新しました。本文中の「2026-09-20確認」は執筆時、「2026-10-04確認」は公開前の再確認の日付です。筆者環境の計測値は、断りがない限り2026-09-20の記録です。
この記事でわかること
- ダウンロードからdiffが出るまでの番号付き手順と、各ステップで画面に出る文言
Tab/Cmd+K/Cmd+Iの3層がそれぞれ何を担当し、どこで切り替わるか- 公式ドキュメントの機能名が、アプリ内のどのメニュー・どのキーに対応するか
- 補完が出ない・Agentがタイムアウトする・プロキシで通らないときの対処
- 無料のHobbyでどこまで動き、どの枠が先に尽きるか
1. 検証環境と、この記事で測れなかったこと
先に限界を書きます。今回の執筆環境はGUIを持たないヘッドレス環境で、Cursorのインストーラを実際に起動して操作することができませんでした。したがって企画段階で予定していた2つの実測、すなわち「ダウンロードから最初のdiffまでの完走タイム」と「無料枠が止まった瞬間の画面文言」は、いずれも測定できていません。推定値で埋めることはしません。
この記事に出てくる数値・文言・キー割り当ては、2026-09-20に取得した公式ドキュメントと配布ページの記載で、一部は2026-10-04に再確認しています。出所と確認日はその都度添えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OS | Linux 6.14.0-1015-nvidia(aarch64) |
| GPU / VRAM | 該当なし(Cursorはクラウド側で推論するためローカルGPU要件は論点にならない) |
| Cursorのバージョン | 2026-09-20の配布ページの表示で 3.21(2026-10-04確認の最新は 3.22。アプリ内のバージョン情報は未確認) |
| 確認方法 | 公式ドキュメント・配布ページのWeb取得のみ。アプリの実操作なし |
| 検証日 | 2026-09-20(JST) |
ローカル環境で行えた確認は1つだけです。手元の主リポジトリ1本に .cursor/rules ディレクトリは存在しませんでした。~/Documents/gh 配下の全リポジトリを対象にした走査は、ファイル数が多くタイムアウトして完了できていません。「0本」と断定できるのは1本ぶんの範囲です。
2026-10-04 再計測:走査の深さを絞り直したところ、~/Documents/gh 直下のgitリポジトリ46本について、各リポジトリのルートとその1階層下に .cursor ディレクトリは0件でした。それより深い場所は今回も調べていません。
2. 一次資料の対応表
| 主張 | 一次資料 | 種別 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 最新版は3.22(2026-09-20時点は3.21)で、Linuxは deb / RPM / AppImage それぞれに ARM64 と x64 がある | cursor.com/download | 公式配布ページ | 2026-10-04 |
| macOS 12以降、Windows 10以降。Linuxはapt / dnf / AppImageの3経路 | Cursor Docs Quickstart | 公式ドキュメント | 2026-09-20 |
Agentは Cmd+I / Ctrl+I でサイドペインに開く | Cursor Docs Agent Overview | 公式ドキュメント | 2026-09-20 |
Inline editは Cmd+K / Ctrl+K、質問モードは Opt+Return | Cursor Help Inline edit | 公式ヘルプ | 2026-10-04 |
ルールは .cursor/rules/ の .mdc。同ディレクトリの素の .md は無視される。AGENTS.md は別方式の指示ファイル | Cursor Docs Rules | 公式ドキュメント | 2026-10-04 |
| 無料のHobbyにはTabの月次上限があり、使い切ると次の請求サイクルまで補完が止まる | Cursor Help Tab issues | 公式ヘルプ | 2026-09-20 |
| Hobbyは無料・クレカ不要、Pro が月20ドル、Pro+ が月60ドル、Ultra が月200ドル | cursor.com/pricing | 公式料金ページ | 2026-09-20 |
| Privacy Mode有効時、コードは学習に使われない | Cursor Help Privacy | 公式ヘルプ | 2026-09-20 |
| 既定の実行モードはAuto-reviewで、Linuxのサンドボックスは Landlock + seccomp(カーネル6.2以上)、Bubblewrapのフォールバックもある | Cursor Docs Run modes | 公式ドキュメント | 2026-10-04 |
料金ページは Hobby / Individual / Teams / Enterprise の4列で、個人向けの Individual の中に Pro / Pro+ / Ultra の切替があります(2026-10-04確認)。個人向けの段で数えると Hobby / Pro / Pro+ / Ultra の4段です。このほか公式ヘルプの料金一覧には Hobby(無料)/ Start(インド限定・月額649ルピー、税込)/ Pro(月20ドル)/ Pro+(月60ドル)/ Ultra(月200ドル)が並んでいます(Cursor Help Pricing 2026-09-20確認)。料金の話をするときは、どちらのページを見た値かを添える必要があります。
3. Cursorとは
CursorはVS Codeをフォークしたコードエディタで、AIによる補完・編集・エージェント実行を標準機能として持ちます。フォークなので、VS Codeの拡張機能・キーバインド・テーマを取り込む機能があります。ただし取り込んだ拡張がすべて同じように動くとは限らず、個別の動作確認は要ります。ローカルにモデルを置く仕組みではなく、プロンプトとコードのコンテキストをクラウドのモデルプロバイダへ送って動きます(Cursor Help Privacy 2026-09-20確認)。
4. Tab / Inline Edit / Agent の3層と使い分け
Cursorの操作は、書き換えの粒度で3層に分かれます。混同すると「Agentを呼ぶべき場面で Cmd+K を連打して進まない」という詰まり方をします。
| 層 | 呼び出し | 書き換わる範囲 | 向いている作業 |
|---|---|---|---|
| Tab | キー操作なし(入力中に自動で出る) | カーソル周辺の複数行、足りないimport、次に編集する位置や関連する別ファイルの修正候補 | タイプ量の削減、定型の続きや連動する小修正 |
| Inline Edit | Cmd+K / Ctrl+K | 選択したコード | 関数1つの書き換え、命名変更、非同期化 |
| Agent | Cmd+I / Ctrl+I | 複数ファイル+ターミナル | 調査、機能追加、テスト実行を含む作業 |
Tabは公式ドキュメントで「Tab is Cursor’s AI-powered autocomplete. It suggests code as you type, based on your recent edits, surrounding code, and linter errors.」と説明されています(Cursor Help Tab 2026-10-04確認)。直前の編集と周囲のコードに加えて、リンタのエラーも入力に使う点が普通の補完と違うところです。同じページには「Tab can modify multiple lines, add missing import statements, and suggest coordinated edits across related code」とあり、次に編集する位置への移動や、別ファイルへの連動修正の予測も挙げられています。カーソル位置の続きを埋めるだけの補完ではありません。提案は薄い文字でカーソルの先に表示され、Tab で全部受け入れ、Esc または入力継続で却下、Cmd+→(Windows・Linuxは Ctrl+→)で単語単位の部分受け入れになります。
Inline Editは、選択したコードをその場で書き換える機能です。コードを選んで Cmd+K、指示を入力して Return。公式の例は Convert this to an async function. です(Cursor Help Inline edit 2026-10-04確認)。Opt+Return(Windows・Linuxは Alt+Return)で質問モードに切り替わり、答えを見たうえで実装させたければ do it と打ちます。選択範囲を超える変更が必要になったら Cmd+L(Windows・Linuxは Ctrl+L)でAgentへ渡せます。
Agentは命令・ツール・モデルの3要素で動きます。ツールとしてファイル名検索、ディレクトリ読み取り、キーワード検索、Web検索、コード編集、ターミナル実行、ブラウザ操作、画像生成を持ち、作業の途中で質問を返すこともあります。モデル選択に迷う場合は、Cursor独自モデルの素性を扱ったCursor Composer 2の正体も参考になります。
5. インストールと初期設定
5-1. 自分のアーキテクチャに合う版を選ぶ
配布ページには2026-10-04時点で最新版 3.22 が並び、過去版として 3.21 / 3.20 / 3.19 / 3.18 も同じ構成で残っています(執筆時の2026-09-20は 3.21 が最新でした)。用意されているのは次の組み合わせです。
- macOS:ARM64 / x64 / Universal
- Windows:x64 と ARM64、それぞれ System installer と User installer
- Linux:deb(ARM64 / x64)、RPM(ARM64 / x64)、AppImage(ARM64 / x64)
配布ページを見るかぎり、Linuxのarm64版は deb・RPM・AppImage の3形式すべてに存在します。手元のaarch64機でも入る建て付けにはなっています。
5-2. インストールする
公式クイックスタートの記載では、macOSは macOS 12以降を対象とした .dmg、WindowsはWindows 10以降を対象とした .exe です。LinuxはDebian / Ubuntu系がGPGキーとリポジトリを追加してからのインストール、RHEL / Fedora系がyumリポジトリ設定後のインストールになります。
sudo apt install cursor
sudo dnf install cursor
AppImageを使う場合は、ダウンロードしたファイルに実行権限を付けてそのまま起動します。
chmod +x ./Cursor-*.AppImage
./Cursor-*.AppImage
公式はAppImageよりパッケージマネージャ経由を勧めています。理由として挙げられているのは、デスクトップアイコン・自動更新・CLIツールが付いてくる点です。自動更新が効くかどうかは長期運用で効いてくるので、ディストリが対応しているならdebかRPMを選ぶほうが後が楽です。
成功したときの見え方:起動するとVS Codeによく似たウィンドウが開き、右下にTabのステータスインジケータが表示されます。
5-3. サインインする
初回起動時にサインインを求められます。ここで弾かれる場合は第8章のネットワーク系の行を先に見てください。VPNを有効にしたままだと、公式ヘルプが言及する不審なアクティビティの警告が出ることがあります。
5-4. VS Codeの設定を持ち込む
VS Codeのフォークなので、拡張機能・テーマ・キーバインドの移行が初回セットアップに用意されています。移行しない選択もできますが、乗り換え判断をするなら移行したうえで比較したほうが実態に近くなります。
5-5. 日本語化と設定画面の場所
UIの日本語化は、VS Codeと同じく日本語言語パックの拡張機能を入れて再起動する流れです。Cursor固有の設定画面は Cmd+Shift+J(Windows・Linuxは Ctrl+Shift+J)で開きます。ここにGeneral・Tab・Networkなどのタブが並び、Privacy ModeやHTTP Compatibility Modeもこの中にあります。
5-6. リポジトリを1つ開く
新規の空フォルダより、すでにコードがある小さめのリポジトリを開くほうが最初の一手の結果を判断しやすくなります。テストかリンタが動く状態のプロジェクトだと、変更の良し悪しをその場で確かめられます。
6. 最初の1変更をdiffとして出す
6-1. 現状を説明させる
Cmd+I でサイドペインを開き、プロジェクトの構成を説明させます。ここでAgentがファイルを読みに行くので、リポジトリの規模感とインデックスの効きが同時に分かります。公式クイックスタートもこの順序です。
6-2. 小さい変更を1つ頼む
クイックスタートが例として挙げているのは、小さく安全な改善を3つ提案させるやり方です。いきなり機能追加を投げるより、diffが読める大きさに抑えたほうが最初の1回としては確実です。
6-3. diffを読んで受け入れる
変更はdiffビューに出ます。公式が推奨しているのは、diffを見たうえでプロジェクト側のテスト・リンタ・型チェックを走らせて確認する流れです。AIが出した差分を目視だけで通さない、という前提が公式手順に組み込まれています。
6-4. 戻したくなったとき
Agentはまとまった変更の前にコードベースのスナップショットを自動で取ります。過去のメッセージにカーソルを合わせると Restore Checkpoint が出て、その時点まで戻せます。会話履歴は壊れません。
6-5. 大きい変更はPlan Modeに切り替える
範囲の広い作業は、Shift+Tab でモードを回してPlan Modeに入れます。先にファイルを調べ、不明点を質問し、実装計画を立ててからコードに手を付ける動きになります。
6-6. コーディング規約をrulesで固定する
毎回同じ指示を書かずに済ませるための仕組みがRulesです。公式ドキュメントはRulesを「system-level instructions to Agent」と説明しています(Cursor Docs Rules 2026-09-20確認)。置き場所と形式は決まっています。
- 置き場所は
.cursor/rules/、拡張子は.mdc(Markdown + フロントマター) .cursor/rulesに置いた素の.mdは、フロントマターが無いためルールとして読み込まれない(2026-10-04確認)- サブディレクトリに分けて置ける
適用タイミングはフロントマターで4通りに分かれます。
| タイプ | フロントマター | 効くとき |
|---|---|---|
| Always Apply | alwaysApply: true | 毎回のチャット |
| Apply Intelligently | alwaysApply: false + description | Agentが関連ありと判断したとき |
| Apply to Specific Files | alwaysApply: false + globs | パターンに一致するファイルを触るとき |
| Apply Manually | alwaysApply: false のみ | チャットで @ メンションしたとき |
作り方は2つで、チャットで /create-rule を打つとAgentがフロントマター付きのファイルを生成して .cursor/rules に保存します。サイドバーの Customize → Rules から Add Rule でも作れます。全プロジェクトに効かせたい個人の好みは User Rules 側に書きますが、User RulesはAgent(チャット)にだけ効き、Inline Editには効きません。
.cursor/rules とは別の方式として、フロントマターを持たない AGENTS.md をプロジェクトのルートに置く形式も選べます。サブディレクトリごとに入れ子で配置でき、別ツールで同じ役割を担うファイルとも発想が近いものです。Claude Code側の書き方はClaude Codeの使い方とCLAUDE.mdにまとめています。
7. 公式の機能名 × アプリ内の表示 × ショートカット
ドキュメントの呼称と画面上の場所が一致しないのは、最初に止まりやすい箇所です。2026-09-20時点の公式記載を1枚にし、ショートカットは2026-10-04にキーボードショートカットの一覧で既定値を再確認しました。いずれも変更可能な既定値です。
| 公式ドキュメントの名前 | アプリ内での場所・表示 | ショートカット(Mac) | ショートカット(Windows / Linux) |
|---|---|---|---|
| Agent | サイドペイン(Sidepanel) | Cmd+I または Cmd+L | Ctrl+I または Ctrl+L |
| Inline edit | エディタ内の入力ボックス | Cmd+K | Ctrl+K |
| Tab | 入力中の薄い先行テキスト/右下のステータス表示 | Tab で受け入れ | Tab で受け入れ |
| Tab(部分受け入れ) | 同上 | Cmd+→ | Ctrl+→ |
| Mode Menu | サイドペイン下部のモード切替 | Cmd+. | Ctrl+. |
| Plan Mode などのモード切替 | 同上 | Shift+Tab で巡回 | Shift+Tab で巡回 |
| モデル選択 | サイドペインのモデル名 | Cmd+/ で巡回 | Ctrl+/ で巡回 |
| 質問モード(Inline edit内) | 入力ボックスのモード表示 | Opt+Return | Alt+Return |
| Cursor Settings | 設定ウィンドウ | Cmd+Shift+J | Ctrl+Shift+J |
| Rules | サイドバー Customize → Rules | チャットで /create-rule | チャットで /create-rule |
| Checkpoints | 過去メッセージの Restore Checkpoint | ホバーで表示 | ホバーで表示 |
| Privacy Mode | Cursor Settings → General | — | — |
| HTTP Compatibility Mode | Cursor Settings → Network | — | — |
キー割り当てを変えたい場合は、Cmd+R に続けて Cmd+S(Windows・Linuxは Ctrl+R → Ctrl+S)でキーボードショートカット画面を開き、対象コマンドの鉛筆アイコンから設定します。
サイドペインの呼び出しに Cmd+I と Cmd+L の2つが割り当てられている点は覚えておくと迷いません。一覧の表記は「Toggle Sidepanel (unless bound to mode)」で、どちらかをモードに割り当てると挙動が変わります。Inline Editの Cmd+K から Cmd+L を押すとAgentへ引き渡しになるため、K と L の隣接は意図的な導線です。
8. つまずいたときの対処
公式のトラブルシューティングに載っている症状と対処です。
| 症状・画面の文言 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| Tabの補完がまったく出ない | 無料Hobbyの月次Tab枠を使い切った | 次の請求サイクルまで待つか、有料プランへ移る |
| Tabの補完が出ない(有料でも) | プロキシがHTTP/2を遮っている | Cursor Settings → Network で HTTP Compatibility Mode を HTTP/1.1 にして再起動 |
| Tabの補完が出ない(版が古い) | 更新されていない | Cmd/Ctrl+Shift+P から Cursor: Attempt Update を実行 |
| Tabが遅い | 回線・拡張機能・VPN / プロキシの遅延 | 回線速度を確認し、使っていない拡張を無効化する |
Agent Execution Timed Out | 端末側の要因。管理端末ではエンドポイントセキュリティ製品が原因になりうる | Main / Window / Extension Host のログを書き出し、Outputパネルの内容とあわせてサポートへ渡す |
| Agentが目的のファイルを読まない | .cursorignore や .gitignore で除外されている/インデックス未更新 | 除外設定を確認し、コマンドパレットから再インデックス。@filename で直接添付する |
| Agentの精度が低い | 指示が曖昧、文脈が混ざっている | Plan Modeを使う、タスクを変えたら新しいチャットを開く、.cursor/rules/ を置く、@ メンションで対象を絞る |
ターミナルコマンドに CI=1 が入る | Agentが環境変数を設定する | unset CI && your-command-here の形で実行するか、その旨のルールを置く |
| macOSで起動直後に画面が真っ白 | 公式ヘルプは原因を挙げていない | 完全に終了(Cmd+Q)して再起動する。直らなければゴミ箱に入れて cursor.com/download から再インストール |
Cursor is damaged の警告(macOS) | この警告について公式は「This is a macOS issue, not a corrupted download.」と説明している(Cursor Help Install issues 2026-10-04確認) | Cursorを終了し、残ったプロセスをアクティビティモニタで強制終了。1分待って再起動。直らなければゴミ箱を空にして再インストール |
| Windowsで起動直後に画面が真っ白 | 公式ヘルプは原因を挙げていない | 完全に終了(トレイから終了)して再起動。直らなければ管理者として実行して切り分ける(常用の前提ではない) |
| サインイン時に不審なアクティビティの警告 | VPN経由のアクセス | VPNを切る、新しいチャットを開く、数分待つ、Google / GitHubでサインインする |
| VPN切断後にAI機能が通らない | DNSの引き継ぎ | Cursorを完全に再起動する。macOSは scutil --dns、Linuxは /etc/resolv.conf を確認 |
| Remote SSH接続でAIが止まる | 手元の回線、またはリモート側の資源枯渇 | AIリクエストは手元から出る点を踏まえてローカル回線を確認。SSH設定に ServerAliveInterval 60 と ServerAliveCountMax 3 を追加 |
社内ネットワークで使う場合は、外向き通信の許可対象として *.cursor.sh、*.cursor-cdn.com、*.cursorapi.com、*.cursorvm.com と *.*.cursorvm.com が挙げられています。切り分けの起点は Cursor Settings → Network → Run Diagnostics です(Cursor Help Network 2026-09-20確認)。
応答が明らかにおかしいときは、メッセージの ... メニューから Copy Request ID を取り、再現手順とあわせて forum.cursor.com に投げる導線が用意されています。
9. ケース別の使い分け4つ
既存コードを読む:Cmd+I でAgentを開き、@ でエントリポイントのファイルを添付して呼び出し関係をたどらせます。Agentはディレクトリ読み取りとキーワード検索のツールを持つので、ファイル名が分からない段階でも手がかりから探せます。
小さなリファクタ:対象の関数を選択して Cmd+K。選択範囲に閉じるので、意図しない箇所まで書き換わる事故が起きにくくなります。範囲を超える必要が出たら Cmd+L でAgentへ渡します。
テストを足す:Agentはターミナル実行のツールを持つため、テストを書かせてそのまま走らせる流れが作れます。既定のAuto-reviewモードでは、許可済みのコマンドは即実行され、それ以外のシェルコマンドは可能ならサンドボックス内で実行され、サンドボックスを使わない呼び出しは分類器のレビューを通ります。
ドキュメントを生成する:出力形式が毎回ぶれるなら、globs を docs/**/*.md のように絞ったルールを1本置くのが早いやり方です。MCPサーバーを足して外部の情報源に触らせる場合は、本数とトークン消費のトレードオフをMCPサーバーの選び方にまとめています。
10. 料金と、無料で止まる場所
2026-09-20時点の料金ページの表示では、個人向けプランは4段です(このほかに公式ヘルプの料金一覧にはインド限定の Start が載っています)。
| プラン | 月額 | 記載されている内容 |
|---|---|---|
| Hobby | 無料 | クレジットカード不要、Agentリクエストは限定的、Composerへのアクセス |
| Pro | 20ドル | Agentの拡張枠、フロンティアモデルへのアクセス、MCP・skills・hooks、Cloud agents |
| Pro+ | 60ドル | Agentの上乗せ枠(倍率は今回確認した公式ページ本文では確認できませんでした) |
| Ultra | 200ドル | 新機能への優先アクセス。Ultra導入時の公式ブログは「a $200 / mo plan with 20x more usage than Pro」と説明していました(Cursor Blog New tier 2026-09-20確認)。2026-10-04確認の料金ページと料金ドキュメントには倍率の記載がなく、現在の全モデルに同じ倍率が当てはまるかは確認できていません |
料金ページには Monthly / Yearly の切替があり、表示はドル建てのみ、価格は税別(All prices are exclusive of any applicable taxes.)です。Teams と Enterprise は別立てになっています(cursor.com/pricing 2026-09-20確認)。
使用量の仕組みは公式ドキュメント側に詳しく書かれています(Cursor Docs Models and pricing 2026-10-04確認)。プールは2つに分かれ、Cursor独自モデル(Grok 4.7 / Grok 4.6 / Grok 4.5 / Composer 2.5)と、OpenAI・Anthropic・Google などのサードパーティモデルが別勘定です。後者は各社のAPIレートで課金され、Teams と Enterprise ではこれに100万トークンあたり0.25ドルの Cursor Token Rate が上乗せされます。インド限定の Start はCursor独自モデルのプールだけが対象です。どちらもエディタ設定と利用状況ダッシュボードから確認でき、請求サイクルに合わせて毎月リセットされます。
Pro以上で含まれる枠を超えたときの扱いは、従量課金を追加して同じレートで使い続けるか、プランを上げるかの二択です。公式は「Requests are never downgraded in quality or speed.」と書いており、枠を超えたら品質や速度を落として継続する方式ではありません。使用量の目安として、毎日Tabを使う人はおおむね枠内、Agentを毎日使う人は月60〜100ドル、ヘビーユーザーは200ドルを超えることが多い、という記述があります。
無料のHobbyでどこが先に止まるか。公式ヘルプが明示しているのはTabです。「Free (Hobby) users have a monthly Tab allowance. Once it’s used up, suggestions pause until the next billing cycle.」(Cursor Help Tab issues 2026-09-20確認)。Agentリクエストについては料金ページに限定的と書かれているだけで、具体的な回数は公表されている範囲では確認できませんでした。止まった瞬間の画面文言も、今回は実機で再現できていないため記録できていません。
11. 注意点とプライバシー設定
仕事のコードを入れる前に見る場所は3つです。
1つ目は Privacy Mode です。Cursor Settings → General タブにあるトグルで、有効にすると自分のコードはCursorにもモデルプロバイダにも学習に使われない、と公式ヘルプが明記しています。Teams と Enterprise では既定でオンになり、管理者が組織全体に強制できます。個人プランでの既定値については、今回確認したページに明示がありませんでした。公表されていないと断じるのではなく、導入時に自分の設定画面で確認してください。
2つ目は送信先です。AI機能を使うと、プロンプトとコードのコンテキストが OpenAI・Anthropic・Google などのモデルプロバイダへ送られます。サブプロセッサとはデータ処理契約が結ばれている、という記載があります。Enterpriseでは既定でゼロデータ保持が適用されますが、個人のAPIキーを使う場合と保持を必要とする一部モデルは例外とされています。
3つ目は実行モードです。既定はAuto-reviewで、許可済みの呼び出しは即実行、それ以外のシェルコマンドは可能な範囲でサンドボックス内で実行され、サンドボックスを使わない呼び出しは分類器がレビューします。分類器は Cursor が管理する小型モデルで、2026-10-04確認の時点では Gemini 3.5 Flash Lite、フォールバックが Claude 4.5 Haiku です(執筆時の2026-09-20の記載は Claude 4.5 Haiku または GPT-5.4 Mini でした)。より厳格にしたければAllowlist、制限なしで動かすならRun Everythingです。許可の方針は permissions.json に平易な英文で書けます。
ここで公式自身が付けている留保が重要です。分類器について「The classifier can make mistakes. It can allow a call you would have blocked, or block a call you would have allowed.」とあり、Auto-reviewはセキュリティ境界ではないと明言されています。別の保護として、ファイルの削除・作業ツリー外のファイル変更・ブラウザツールの実行は、モード上は自動で走る場面でも承認を求めることがある、という記述もあります。操作そのものを禁止する仕組みではなく、自動実行を止めて承認に回す仕組みです。
サンドボックスの実装はOSで分かれ、macOSはSeatbelt、LinuxはLandlockとseccompです。Linux側の条件はカーネル6.2以上の単独条件ではなく、Landlock v3のサポート(CONFIG_SECURITY_LANDLOCK=y)とunprivileged user namespacesの有効化を含むAND条件です(Cursor Docs Run modes 2026-10-04確認)。今回の環境のLinux 6.14.0-1015-nvidiaはカーネル版数の条件こそ満たしますが、Landlock v3の有効化とunprivileged user namespacesは未確認です。カーネルが条件を満たさない場合はサンドボックスが黙って無効になるのではなく、コマンド実行前に承認を求める動きにフォールバックすると書かれています。同じページには、有効なサンドボックスの方式を示す環境変数 CURSOR_SANDBOX_LANDLOCK_STATUS が fully_enforced(Landlock)か bubblewrap(Bubblewrapによるフォールバック)を返す、という記載もあり、Linuxの経路はLandlockの一本だけではありません。古いカーネルのまま運用しているサーバ上で使う場合は、どの経路で動いているかを確かめたうえで権限設計を考える必要があります。
12. アンインストールと後片付け
元に戻す手順も書いておきます。macOSはアプリケーションフォルダからゴミ箱へ移して空にします。Windowsは設定のアプリ一覧からアンインストールします。Linuxはパッケージマネージャ経由で入れた場合、対応するコマンドで削除します。
sudo apt remove cursor
sudo dnf remove cursor
AppImageで入れた場合はファイル本体を削除します。デスクトップ統合で作られたファイルがあれば別に残ります。いずれの方法も、アプリ本体を消す手順であって、ユーザーごとの設定や履歴まで消す手順ではありません。.cursor/rules/・AGENTS.md・.cursorignore はいずれもリポジトリ内に置く設定ファイルなので、Cursorを消してもそのまま残ります(公式にアンインストール後の残存ファイルを列挙した節は確認できませんでした)。不要ならgitの管理下から消してください。アカウント自体の削除は公式ヘルプに専用ページがあり、サブスクリプションの解約を先に済ませたうえでダッシュボードの Advanced Account Settings から実行する手順が案内されています(Cursor Help Delete account 2026-09-20確認)。
13. よくある質問
VS Codeの拡張機能はそのまま使えますか
CursorはVS Codeのフォークで、初回セットアップに拡張機能・テーマ・キーバインドの移行が用意されています。ただし配布元が同一とは限らないため、社内配布の拡張や特殊なマーケットプレイス設定を使っている場合は、移行後に個別の動作確認が要ります。
無料のまま実務で使えますか
Tabには月次枠があり、Agentリクエストも料金ページで「Limited」とされています。足りるかどうかは作業量次第です。公式の目安ではAgentを毎日使う人の総額は月60〜100ドルとされているので、毎日Agentを回す使い方なら、無料のままでは枠が足りなくなる前提で考えておくのが無難です(筆者の評価です)。
他のAIコーディングツールとどう違いますか
本記事は比較を扱いません。CLI系を含めた並びはClaude Code・Codex CLI・Gemini CLIの比較を参照してください。
MCPサーバーは無料プランでも足せますか
料金ページでMCP・skills・hooksが明示されているのはIndividual(Pro以降)の列で、Hobbyの列には記載がありません(2026-10-04確認)。ただし記載が無いことは非対応の根拠にはならず、料金ページだけではHobbyで使えるかは判断できません。MCP前提で計画するなら、Hobbyのまま自分の環境で追加できるかを先に試してください。
Agentが勝手にコマンドを実行するのが怖いです
既定のAuto-reviewから、事前承認したものだけを通すAllowlistに切り替えられます。permissions.json に「特定のCLIコマンドは必ず承認を通す」といった方針を英文で書いておく運用も可能です。
14. 関連記事
- Claude Code の使い方 — 同じ導入手順型の記事です。CursorのRulesに相当する役割をCLAUDE.mdがどう担うかを扱っています。
- MCPサーバーの選び方と候補一覧 — MCPを足すときの本数とトークンコストの見積もりです。
- Cursor Composer 2の正体 — Cursor独自モデルの素性を追った記事です。
15. まとめ
Cursorを入れて最初のdiffを見るまでの経路は、配布ページで自分のアーキテクチャに合う版を選び、サインインし、リポジトリを開いて Cmd+I で変更を1つ依頼し、出てきた差分を確認する、という流れです。3層の使い分けは、入力中に周辺の修正候補を出すのがTab、選択したコードを書き換えるのが Cmd+K、複数ファイルとターミナルまで動かすのが Cmd+I と覚えれば足ります。
無料のHobbyについて、枯渇後の挙動まで公式ヘルプが明文化しているのはTabの月次枠です(Cursor Help Tab issues 2026-10-04確認)。Agent側も料金ページの「Limited Agent requests」やヘルプの「limited usage」で上限の存在自体は示されています。ただし具体的な回数は今回確認できた範囲では公表されておらず、TabとAgentのどちらが先に尽きるかまでは公表値からは決められません(cursor.com/pricing 2026-10-04確認)。
仕事のコードを入れるなら、Privacy Modeの状態と実行モードの2つを先に見てください。Auto-reviewの分類器について、公式自身がセキュリティ境界ではないと書いています。
そしてこの記事には、予定していたインストール完走タイムと無料枠停止の実録が入っていません。GUIを操作できる環境で測り直した時点で、この章を数字に差し替えます。