この記事でわかること

  • 止まったのが Gemini アプリ・Gemini API・Gemini CLI のどれの制限かを、使っていた画面とエラー表示から切り分けられる
  • 残量の確認場所がわかる。アプリは「Settings」→「Usage Limits」、API は AI Studio のレート制限ページ、CLI は /stats model です
  • いつ戻るかがわかる。アプリは5時間ごとに回復して週上限あり、API の1日上限は太平洋時間0時(日本時間16時、11月2日以降は17時)に戻ります
  • 待つか課金するかを、課金しても上限が消えるわけではない点も含めて判断できる

「Gemini の無料制限」と一口に言っても、Google はアプリ・API・CLI で別々の数え方とリセットを定めています。アプリの無料版は回数の具体値を公表しておらず、5時間ごとに回復し週の上限がある、という仕組みだけが示されています。API と CLI は1日あたりの上限があり、API は太平洋時間の0時に戻ります。CLI は認証方式によって使うクォータが変わり、Google ログインなら Code Assist 側、API キーなら Gemini API 側(そのプロジェクトの API 上限と共有)、Vertex AI なら Vertex 側のクォータを使います。

まず「自分がどこで Gemini を使っていたか」で3つに分けてください。gemini.google.com やスマホのアプリならアプリの制限です。自分で書いたプログラムや AI Studio の API キー経由なら API、ターミナルの gemini コマンドなら CLI の制限です。以下、この3つを順に扱います。


1. 一次資料の対応表

この記事の数値と仕様は、すべて次の公式ページで2026年10月6日に確認したものです。今回は実機の画面撮影は行っていません。メニュー名は公式ヘルプとドキュメントの表記に基づきます。

主張一次資料種別確認日
アプリの上限は5時間ごとに回復し、週上限があるGemini Apps Help『Gemini Apps limits & upgrades for Google AI subscribers』公式ヘルプ2026-10-06
アプリ無料版のコンテキストは32kトークン、残量は「Settings」→「Usage Limits」同上公式ヘルプ2026-10-06
有料プランは上限到達後も Flash-Lite で会話を続けられる同上公式ヘルプ2026-10-06
API の制限は RPM・TPM・RPD などで、APIキーではなくプロジェクト単位Gemini API『Rate limits』(最終更新 2026-09-02)公式ドキュメント2026-10-06
API の RPD は太平洋時間0時にリセット、数値は AI Studio で確認同上公式ドキュメント2026-10-06
モデル別の無料枠の有無、無料枠の入力は製品改善に使われるGemini API『Pricing』(最終更新 2026-10-01)公式ドキュメント2026-10-06
Interactions API の 429 の内訳(error.code の3種)と対処Gemini API『API errors (Interactions)』(最終更新 2026-09-20)公式ドキュメント2026-10-06
GenerateContent API の 429 は RESOURCE_EXHAUSTED で、RPM・TPM・RPD・支出上限をまとめて指すGemini API『API errors (GenerateContent)』(最終更新 2026-09-20)公式ドキュメント2026-10-06
google-genai SDK は 4xx を ClientError、5xx を ServerError として送出googleapis/python-genai『errors.py』公式ソースコード2026-10-06
2.5 Flash Image は2026-10-02に提供終了、2.5 系は過去の利用者に限定Gemini API『Deprecations』(最終更新 2026-10-01)公式ドキュメント2026-10-06
EEA・スイス・英国では無料枠にも有料サービスのデータ取り扱いが適用Gemini API『追加利用規約』(最終更新 2026-04-28)公式規約2026-10-06
CLI は Google ログインで1日1,000リクエスト、未課金APIキーは250で Flash のみGemini CLI『Quotas and pricing』(最終更新 2026-06-18)公式ドキュメント2026-10-06
CLI の /stats model でトークン数とクォータ情報を表示Gemini CLI『Commands』公式ドキュメント2026-10-06

アプリのヘルプには『Limits may change without notice, including due to capacity constraints.』と書かれています。API のドキュメントにも『Specified rate limits are not guaranteed and actual capacity may vary.』とあります。どちらも予告なく変わりうるので、数値は確認日とセットで読んでください。


2. どの制限に当たったか──症状別の早見表

最初に、止まったときの状況から当てはまる行を探してください。

症状 / 表示どの制限か原因対処
gemini.google.com やアプリで、上限に達した旨の表示が出て送れないアプリ5時間あたり、または週あたりの上限「Settings」→「Usage Limits」で残量と回復時刻を確認して待つ
アプリで長い資料を貼ると途中から内容を踏まえないアプリ(回数ではない)無料版のコンテキスト32kトークンを超えている可能性(原因の一つ)資料を分割する。AI Plus は128k、Pro・Ultra は100万トークン
API が 429 RESOURCE_EXHAUSTED を返し、しばらく待つと通るAPIRPM や TPM など分単位の上限指数バックオフで再試行する
API の 429 が何度再試行しても続くAPIRPD や支出上限など、分単位より長い上限の可能性AI Studio のレート制限ページでどの上限に当たったか確認し、リセットを待つか Tier 1 へ上げる
画像生成・動画生成モデルを API で呼ぶと通らないAPI(無料枠の対象外)そのモデルに無料枠が無い請求先アカウントを有効にする
API キーを新しく作り直しても上限のままAPI上限はプロジェクト単位キーではなくプロジェクトの使用量を確認する
400 FAILED_PRECONDITION が返るAPI(上限ではない)請求の無効など前提条件の不足プロジェクトの請求状態を確認する
gemini コマンドが1日の途中から応答しなくなるCLI1日のリクエスト上限/stats model で確認し、認証方式やプランを見直す
CLI で APIキー認証にしたら Pro 系が選べないCLI未課金APIキーは Flash のみGoogle ログインに切り替えるか、課金したキーを使う

429 以外の 503 UNAVAILABLE は上限ではなく、サーバー側の過負荷です。API errors のページは『The service is temporarily overloaded or down』と説明し、指数バックオフでの再試行を勧めています(Gemini API『API errors (Interactions)』 2026-09-20更新)。上限に当たったのか混雑なのかで、待ち方が変わります。


3. Geminiアプリの無料制限──回数は非公表、5時間ごとに回復

3-1. 公式に書かれている仕組み

Gemini アプリ(gemini.google.com とモバイルアプリ)の上限は、プラン別の倍率でだけ示されています(Gemini Apps Help『Gemini Apps limits & upgrades for Google AI subscribers』 2026-10-06確認)。

プラン利用上限コンテキストウィンドウ
AI プランなし(無料)標準の上限32k トークン
Google AI Plus標準の2倍128k トークン
Google AI Pro標準の4倍100万トークン
Google AI UltraAI Pro の5倍または20倍(契約による)100万トークン

基準になる「標準の上限」が何回なのかは、このヘルプには書かれていません。無料版で何回送れるかを数字で示す公式資料は、確認できた範囲にはありませんでした。ネット上で見かける「1日○回」という数字は、この公式ページの根拠を持たないものとして扱ってください。

回復のしかたは『Your limit refreshes every 5 hours until you reach your weekly limit.』と書かれています。利用枠は5時間ごとに回復しますが、上限到達から必ず5時間待つという意味ではありません。次の回復時刻は上限到達時の画面の通知か「Settings」→「Usage Limits」で確認してください。週の上限まで使い切っていれば、次の5時間枠でも戻りません。

3-2. 残量と回復時刻の確認手順

公式ヘルプが示す手順は次のとおりです(2026年10月6日にヘルプの記載で確認)。

  1. ブラウザで gemini.google.com を開く
  2. 画面左下の「Settings」を選ぶ
  3. 「Usage Limits」を選ぶ

日本語表示の画面では、メニュー名が訳されて表示されている可能性があります。ヘルプの英語表記と一致しない場合は、左下の設定メニューの中から利用上限の項目を探してください。

3-3. 上限に当たったあと、無料版と有料版で何が違うか

有料プランと無料版では、上限到達後の挙動が違います。ヘルプには『If you have a Google AI subscription and reach your limit, you can continue your conversation with Flash-Lite.』とあります。有料プランの利用者は、上限後も軽量モデルの Flash-Lite で会話を続けられます。

無料版にはこの続行手段の記載がありません。無料版で上限に当たったときの選択肢は、回復を待つか、プランを上げるかの2つです。

3-4. 回数以外で「使えない」と感じるケース

回数の上限とは別に、機能そのものが無料版の対象外という場合があります。同じヘルプの機能表では、Nano Banana 2 での画像生成と音楽生成は全プランで使えると示されています。一方、動画生成、Daily Brief、Gemini Spark、Scheduled Actions は有料プランの機能です。

動画生成を試して使えなかったなら、回数の問題ではありません。無料版では提供されていない機能なので、待っても使えるようにはなりません。

長い文書を貼ったときの劣化も、回数制限と混同しやすい症状です。無料版のコンテキストは32kトークンで、AI Pro の100万トークンと比べて約31分の1です。長い契約書や議事録を丸ごと貼ると、前半を踏まえない回答になることがあります。この場合は資料を章ごとに分けて渡すほうが、待つより早く解決します。


4. Gemini APIの無料枠──プロジェクト単位、太平洋時間0時に戻る

4-1. 何が数えられているか

Gemini API の無料枠は、アプリとはまったく別の仕組みです。Rate limits のドキュメント(最終更新 2026-09-02)は、次の軸で上限をかけると説明しています。

  • RPM(1分あたりのリクエスト数)
  • TPM(1分あたりの入力トークン数)
  • RPD(1日あたりのリクエスト数)
  • 画像生成モデルでは IPM(1分あたりの画像数)
  • 一部モデルでは TPD(1日あたりのトークン数)

どれか1つでも超えると止まります。RPD に余裕があっても、短時間に大きなプロンプトを連続で送れば TPM で止まります。

もう1つ重要なのが単位です。ドキュメントには『Rate limits are applied per project, not per API key.』とあります。同じプロジェクトでキーを何本作っても、上限は共有されます。キーの作り直しでは回復しません。

4-2. 残量と回復時刻の確認場所

モデルごとの無料枠の具体的な数値は、このドキュメントのページには載っていません。ドキュメントは『Rate limits depend on a variety of factors (such as your usage tier) and can be viewed in Google AI Studio.』として、AI Studio のレート制限ページ(aistudio.google.com/rate-limit)を確認先に挙げています。

確認の流れは次のとおりです。

  1. Google AI Studio に、API キーを発行したのと同じ Google アカウントでログインする
  2. aistudio.google.com/rate-limit を開く
  3. 止まっているリクエストを送っているプロジェクトを選ぶ
  4. 使っているモデルの行で、RPM・TPM・RPD の上限と現在の使用量を見る

(手順3・4の画面構成は、今回ログイン後の実画面では確認していません。ドキュメントの記載に基づくもので、実際の表示とは異なる場合があります。)

RPD のリセットは太平洋時間の0時です。日本時間に直すと、米国が夏時間の期間は16時、標準時の期間は17時になります。2026年の米国夏時間は11月1日に終わるため、11月1日までは16時、11月2日以降は17時が目安です。

ドキュメントには『Rate limits are more restricted for experimental and preview models.』とも書かれています。名前に Preview が付くモデルは、同じ系列の正式版より早く上限に当たると考えてください。

4-3. 429 の読み分け

上限超過は HTTP 429 です。GenerateContent API(generateContent を呼ぶ通常の SDK 利用)では status が RESOURCE_EXHAUSTED で、RPM・TPM・RPD・支出上限のどれを超えたかはエラーだけでは区別できません(Gemini API『API errors (GenerateContent)』 2026-09-20更新)。Interactions API では error.code の文字列で3つに分かれます(Gemini API『API errors (Interactions)』 2026-09-20更新)。

Interactions API の error.code公式の説明公式の対処
rate_limit_exceeded『You have exceeded the per-minute or per-second request or token limit』指数バックオフで再試行
quota_exceeded『You have exceeded your daily quota』リセットを待つか、上限引き上げを申請
too_many_requests『You have made too many requests in a short period』指数バックオフで再試行

GenerateContent API の RESOURCE_EXHAUSTED について、公式ページは『You’ve exceeded one of the API’s rate limits (RPM, TPM, RPD, spend, etc.)』と説明し、対処として上限内か確認し、少し待って再試行し、リクエストの頻度や大きさを減らすよう勧めています。どの上限に当たったかはエラーから推測せず、AI Studio のレート制限ページで確認してください。再試行のループは数回で打ち切る処理を入れておくと、日次の上限に当たっていた場合の無駄なリクエストを減らせます。

import time
from google.genai import errors

def call_with_backoff(fn, max_retries=5):
    delay = 2
    for attempt in range(max_retries):
        try:
            return fn()
        except errors.ClientError as e:
            if e.code != 429:
                raise
            # 簡略例: 本文に daily quota の語があれば日次上限とみなして打ち切る
            if "quota" in str(e).lower() and "day" in str(e).lower():
                raise
            time.sleep(delay)
            delay *= 2
    raise RuntimeError("rate limit persisted after retries")

上のコードは現行の google-genai SDK 向けの例です。この SDK は 4xx を google.genai.errors.ClientError、5xx を ServerError として送出します(googleapis/python-genai『errors.py』)。旧 SDK の google-generativeai では、代わりに google.api_core.exceptions.ResourceExhausted が送出されます。「quota」「day」の文字列で判定している部分は簡略化した例にすぎないため、自分の環境で実際に返るエラー本文を確認してから条件を合わせてください。

4-4. 無料枠があるモデル、無いモデル

「gemini 2.5 pro 無料制限」や「gemini 画像生成 無料制限」で検索してきた方は、まずそのモデルに無料枠があるかを確かめてください。Pricing ページ(最終更新 2026-10-01)の記載を抜き出すと次のとおりです(Gemini API『Pricing』)。

区分無料枠あり(Free of charge)無料枠なし(Not available)
Gemini 3.x テキスト系3.8 Flash、3.7 Flash、3.6 Flash、3.5 Flash、3.5 Flash-Lite、3.1 Flash-Lite、3 Flash Preview3.1 Pro Preview
Gemini 2.5 テキスト系2.5 Pro、2.5 Flash、2.5 Flash-Lite—
画像生成—3.1 Flash Image、3.1 Flash Lite Image、3 Pro Image
動画・音楽生成—Veo 3.1、Gemini Omni Flash、Lyria 3、Lyria 3.5
音声・その他3.8 Live、3.8 Flash TTS、2.5 Flash Native Audio、Gemini Embedding 2、Gemma 4 など2.5 Pro Preview TTS

なお、2.5 Flash Image は Deprecations ページで提供終了日が2026年10月2日とされており、すでに終了しています。また 2.5 Pro・2.5 Flash・2.5 Flash-Lite は Pricing ページに無料枠ありと載っていますが、Deprecations ページには『To ensure reliable performance for everyone, we are limiting access to the 2.5 models to users who have actively used them in the past.』とあり、2.5 系の利用は過去に使っていた利用者に限られています(Gemini API『Deprecations』 2026-10-01更新)。新しく始めるプロジェクトでは 3.x 系のモデルを前提にしてください。

API で使える Pro 系の無料枠は、この表では Gemini 2.5 Pro です。ただし上記のとおり、2.5 系は過去の利用者に限るアクセス制限の対象です。3.1 Pro Preview は無料枠の対象外です。

画像生成は、アプリと API で扱いが逆になっている点に注意してください。アプリでは無料版でも Nano Banana 2 の画像生成が使えます。API では画像生成モデルに無料枠がありません。「アプリで作れたのに API だと通らない」のは、回数の問題ではなく無料枠の有無の差です。

4-5. 無料枠のデータの扱い

API の無料枠には、回数以外にも条件があります。Pricing ページの料金表では、『Used to improve our products』の行が無料枠は『Yes』、有料枠は『No』になっています(Gemini API Pricing 2026-10-06)。

無料枠で送ったプロンプトと応答は、Google の製品改善に使われる前提です。ただし追加利用規約には『If you’re in the European Economic Area, Switzerland, or the United Kingdom, the terms under ‘How Google uses Your Data’ in ‘Paid Services’ apply to all Services, including Google AI Studio and unpaid quota in the Gemini API, even though they are offered free of charge.』とあり、EEA・スイス・英国の利用者には有料サービスと同じデータ取り扱いが適用されます(Gemini API『追加利用規約』 2026-04-28更新)。日本からの通常の無料利用には、この例外は当てはまりません。顧客情報や社外秘の資料を扱うなら、回数に余裕があっても無料枠は避けるべきです。アプリ側の学習設定とは別の話なので、アプリで学習をオフにしていても API の無料枠には効きません。アプリの設定については、Geminiに学習させない設定で個人・Workspace・API の3経路に分けて整理しています。

4-6. Tier 1 に上げると何が変わるか

Rate limits のドキュメントは、利用段階(Tier)を次のように定めています。

Tier条件10分間の支出上限
Free有効なプロジェクトまたは無料トライアル—
Tier 1有効な請求先アカウント(表の上限額は250ドル)10ドル
Tier 2累計支出100ドル以上かつ最初の支払い成功日から3日経過(上限額2,000ドル)50ドル
Tier 3累計支出1,000ドル以上かつ最初の支払い成功日から30日経過(上限額20,000〜100,000ドル以上)200ドル

支出額は Gemini API に限らない Google Cloud 全体の累計です。10分間の支出上限はローリング窓で、『Whether these limits apply to your account depends on your billing history and account standing.』とあるため、全アカウントに一律に適用されるものではありません。

Free から Tier 1 への移行について、ドキュメントは『Tier upgrades from the Free to Tier 1 will typically take effect instantly』と書いています。請求先アカウントを紐付ければ、通常はその場で上限が上がります。

ただし Tier 1 にも上限はあります。10分間に10ドルという支出ベースの上限があり、超えると同じく 429 RESOURCE_EXHAUSTED が返ります(適用の有無は請求履歴による)。課金は「止まらなくなる」手段ではなく、「上限が高くなり、データが製品改善に使われなくなる」手段です。


5. Gemini CLIの無料制限──認証方式で上限が変わる

5-1. 認証方式ごとの1日の上限

Gemini CLI の上限は、ログインのしかたで決まります。Quotas and pricing のページ(最終更新 2026-06-18)の記載は次のとおりです(Gemini CLI『Quotas and pricing』)。

認証方式1日の上限使えるモデル
Google でログイン(Gemini Code Assist for individuals)1ユーザー1日1,000リクエストGemini CLI が Gemini モデル群から選ぶ
Gemini API キー(未課金)1ユーザー1日250リクエストFlash のみ
Vertex AI(Express Mode)アカウントにより異なる90日間は請求の有効化不要
Google AI Pro1日1,500リクエスト—
Google AI Ultra1日2,000リクエスト—
Gemini Code Assist Standard(組織)1ユーザー1日1,500リクエスト—
Gemini Code Assist Enterprise(組織)1ユーザー1日2,000リクエスト—

無料で使うなら、未課金の API キーより Google ログインのほうが上限が4倍高く、Flash 以外のモデルも対象になります。API キーで CLI を使う場合、消費するのはそのプロジェクトの Gemini API 無料枠です。同じキーを他のプログラムでも使っていれば、CLI の表示とは別に API 側の使用量も確認してください。上限値の差(250 と 1,000)にも注意してください。

同じページには『Requests are limited per user per minute and are subject to the availability of the service in times of high demand.』ともあります。1分あたりにも制限があり、混雑時は利用状況で変わるということです。分単位の具体値はこのページに書かれていません。

5-2. 「リクエスト」はプロンプトの回数ではない

CLI の上限は「モデルへのリクエスト」の数で、ドキュメントの単位は『model requests』です。エージェントとして動く CLI は、1つの指示の中でファイルを読み、ツールを呼び、結果を見て再度モデルに問い合わせます。

自分が打った指示が数十回でも、内部のモデルリクエストはその何倍にもなりえます。1つの指示がいくつのリクエストになるかは、ドキュメントには書かれていません。実際の消費量は次の手順で確かめてください。

5-3. 残量の確認手順

  1. ターミナルで gemini を起動したセッションの中で /stats model と入力する
  2. 表示されたトークン数とクォータ情報を見る
  3. 認証方式を確かめたい・変えたいときは /auth を入力する
  4. 使うモデルを変えるときは /model を入力する

Commands のリファレンスは /stats model を『Show model-specific usage statistics, including token counts and quota information.』と説明しています。/auth は認証方式を変えるダイアログを開くコマンドです。なお、残量やリセット時刻がすべての認証方式で表示されるかどうかは、今回は確認できていません。

1日の上限が何時にリセットされるかは、Quotas and pricing のページに記載がありませんでした。API の RPD と同じ太平洋時間0時だと決めつけず、/stats model の表示で確認してください。

5-4. 上限に当たったときの選択肢

Quotas and pricing のページは、上限後の選択肢として従量課金(Vertex AI の通常モードか、課金済みの Gemini API キー)への移行を示しています(Gemini CLI『Quotas and pricing』)。別ページでは、Gemini 3 Pro の上限に達すると Gemini 2.5 Pro への切り替えが選べ、2.5 Pro の上限に達すると 2.5 Flash へのフォールバックを促すメッセージが出ると説明されています(Gemini CLI『Gemini 3 Pro and Gemini 3 Flash on Gemini CLI』)。

現実的な選択肢は4つです。

  • 当日はあきらめて翌日まで待つ
  • 未課金の API キーで使っていたなら、Google ログインに切り替える(250 → 1,000)
  • Google AI Pro・Ultra を契約している、または契約するなら、そのアカウントでログインする(1,500 / 2,000)
  • 課金済み API キーや Vertex AI に切り替え、使った分だけ払う

従量課金に切り替えても API 側の上限(Tier ごとの RPM・RPD・支出上限)は残りますが、無料枠より高くなり、代わりに請求額が問題になります。CLI のエージェント動作はトークンを多く使うため、Google Cloud 側で予算アラートを設定してから切り替えるのが安全です。


6. 法人(Workspace)で使っている場合の分岐

会社の Google Workspace アカウントで使っている場合、個人向けの手順がそのまま当てはまらないことがあります。

CLI については、組織向けに Gemini Code Assist Standard(1ユーザー1日1,500リクエスト)と Enterprise(同2,000リクエスト)が用意されています。会社がこれらを契約しているなら、個人の無料枠ではなく組織の契約で上限が決まります。上限に当たったときは、自分でプランを変えるのではなく、Workspace 管理者に契約と割り当てを確認してください。

API については、上限はプロジェクト単位です。会社の Google Cloud プロジェクトで複数人が同じプロジェクトの API を使っていると、他の人の消費で自分のリクエストが止まります。プロジェクトを分けるか、Tier を上げるかは管理者の判断になります。

Gemini アプリの Workspace 版の上限は、今回確認したヘルプページでは個人向けの Google AI プランとして説明されており、Workspace のプラン別の数値は扱っていません。会社アカウントで上限に当たった場合は、管理者に契約内容を確認するのが確実です。


7. 待つか、課金するか、別の手段にするか

ここまでの内容を判断の順に並べると次のようになります。

状況おすすめの判断理由
アプリで5時間枠に当たった。急ぎではない待つ5時間ごとに回復する(回復時刻は画面で確認)
アプリで週上限まで使い切った。毎週こうなるAI Plus か AI Pro を検討倍率が2倍・4倍になり、上限後も Flash-Lite で続けられる
アプリで長い資料が扱えない分割するか AI Plus 以上を検討32kのコンテキスト超過が原因の一つ
API の分単位の 429待つ(バックオフ)分単位の上限なら短時間で通る。続くなら別の上限を疑う
API の1日上限、または画像生成モデル請求先アカウントを有効にして Tier 1 へ通常はすぐ反映され、無料枠の無いモデルも使える
API で機密データを扱う回数に関係なく Tier 1 以上無料枠は製品改善に使われる
CLI を未課金 API キーで使っているGoogle ログインに切り替える上限が250から1,000になる
CLI を毎日上限まで使うGoogle AI Pro・Ultra か従量課金1,500 / 2,000、または使った分だけ

課金しても上限は無くなりません。アプリは倍率が上がるだけで週上限は残り、API の Tier 1 にも Tier ごとの上限や10分あたりの支出上限(適用は請求履歴による)があります。「止まらない環境」が必要なら、上限の設計を前提に作業量を見積もってください。

もう1つの選択肢が、そもそも Google のサーバーに送らないことです。Pricing ページで無料枠ありとされている Gemma 4 は、Google のオープンモデルです。手元の PC で動かせば、回数の上限もデータ送信も発生しません。代わりに、手元のメモリ量で使えるモデルの大きさが決まります。どのくらいのメモリで何が動くかは、ローカルLLMおすすめはメモリ量で決まるで整理しています。


8. よくある質問

Gemini アプリの無料版は1日に何回まで使えますか?

公式ヘルプでは、無料版の回数の具体値は示されていません。示されているのは、5時間ごとに回復し週の上限があるという仕組みと、有料プランの倍率(Plus は2倍、Pro は4倍)だけです。自分の残量は「Settings」→「Usage Limits」で確認してください。

アプリと API と CLI の上限は共有されていますか?

アプリと API は別です。アプリは5時間・週単位、API はプロジェクト単位の RPM・TPM・RPD で、アプリで上限に当たっても API は止まりません。見る場所も別で、API の確認先は AI Studio のレート制限ページです。CLI は認証方式で決まり、API キー認証ならそのプロジェクトの API 上限と共有、Google ログインなら API とは別枠(Code Assist 側)です。

API キーを作り直せば無料枠は回復しますか?

回復しません。Rate limits のドキュメントは、上限はAPIキーではなくプロジェクト単位だと明記しています。同じプロジェクト内のキーはすべて同じ上限を共有します。

Google AI Pro を契約すると API の無料枠も増えますか?

今回確認した資料には、Google AI Pro の契約で API の Tier が上がるという記載はありませんでした。API の Tier は、プロジェクトに請求先アカウントを紐付けることと支出額で決まります。Google AI Pro が上限に効くと明記されているのは、アプリ(4倍)と CLI(1日1,500リクエスト)です。

無料版で上限に当たっても、軽いモデルで続けられますか?

アプリについては、Flash-Lite で続けられるのは Google AI の有料プラン利用者だとヘルプに書かれています。無料版にはこの記載がないため、回復を待つかプランを上げることになります。API では、無料枠のある別モデル(たとえば Flash-Lite 系)に切り替えれば、そのモデルの上限内で呼び出せます。


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9. まとめ

  • Gemini の無料制限は、アプリと API は数え方もリセットも別で、CLI は認証方式によってどちらの枠を使うかが決まります。まず「どこで使っていたか」で切り分けます
  • アプリは回数非公表で、5時間ごとに回復し週上限があります。残量は「Settings」→「Usage Limits」で確認します
  • API はプロジェクト単位で、1日の上限は日本時間16時(11月2日以降は17時)に戻ります。画像生成モデルには無料枠がなく、無料枠の入力は製品改善に使われます
  • CLI は Google ログインなら1日1,000リクエスト、未課金 API キーなら250で Flash のみです。/stats model で残量を確認します
  • 課金しても上限は消えず、高くなるだけです。回数とデータ送信の両方を避けたいなら、Gemma 4 などのローカル実行も選択肢になります