【DGX Spark実機】動画生成AIをローカルで動かす手順──専有VRAMのないGB10(128GB・aarch64)にLTX-2.3を入れ、10秒動画を116秒で出すまで
この記事でわかること 専有VRAMという区分を持たない統合メモリ機(DGX Spark / GB10・128GB・aarch64)でも、LTX-2.3のローカル動画生成は動きます。本記事の所要時間はすべて筆者環境での一次実測であり、第三者が検証できる公開情報源はありません。再現条件は2026-07-18計測、LTX-2.3 22B distilled 1.1、量子化fp8-cast、24fps、Image-to-Videoで、1本あたり512×960・10秒(241フレーム)が116秒、704×1216・10秒(241フレーム)が182秒でした 導入に必要なディスクは重みだけで約71.5GB(SI表記)。aarch64向けのwheelは公式に明記されていませんが、PyPIのltx-pipelinesとtorch 2.13.0はそのまま入りました ComfyUI-LTXVideoが書く「32GB+ VRAM」という要件が、統合メモリ機では何に対応するのか。実測のMemFree推移の落ち込みで答えます 導入時に実際に出た3つのエラー(循環インポート・SiglipVisionModel・metaテンソル)と、システムごと落ちたOOMの原因・対処 LTX-2.3の重みライセンスと商用利用の線引き(年間売上1,000万ドルの閾値) 1. なぜローカルなのか、この記事は誰向けか クラウドの動画生成サービスは、たたむときは一斉にたたまれます。OpenAIはSoraをローンチから約半年で終了し、ディズニーとの提携も解消しました(/posts/openai-sora-shutdown-disney-deal/)。従量課金とアップロード制限に加えて、そもそもサービスが来年もある保証がない。これがローカル実行を選ぶ実務的な理由です。 この記事は次の条件に当てはまる人向けです。 Linux + NVIDIA GPU環境を自分で管理できる 重み約71.5GBを置けるディスクがある 1本あたり2〜4分の待ちを許容できる そして、この記事が特に扱うのは専有VRAMを持たない統合メモリ機です。DGX Spark(GB10)やApple Silicon系のように、CPUとGPUが同じ物理メモリを共有する構成では、「VRAM 16GB / 24GB / 32GB」という一般的な物差しがそのまま使えません。ここが検索上位のページで空白になっている部分です。 なお本記事はモデル比較記事ではありません。LTX-2.3が他の動画生成モデルより良いかどうかは扱わず、「入れて回す」ことだけを扱います。 2. 検証環境 項目 値 確認方法 機材 NVIDIA DGX Spark(GB10 Blackwell) ─ メモリ ユニファイドメモリ128GB表記(メーカー公称値) 筆者環境の実行ログのMemFree最大値は110.8GBでした。OSから見えるメモリ総量(/proc/meminfoのMemTotal)は今回記録しておらず、本記事では総量の値を用いません 専有VRAM なし(CPU/GPUが同一メモリを共有) ─ アーキテクチャ ARM64(aarch64) ─ カーネル Linux 6.14.0-1015-nvidia 筆者環境のuname -r出力 Python 3.12 筆者環境のvenvパスlib/python3.12/ PyTorch 2.13.0(cu13系wheel) 筆者環境のpip show torch/導入ログ CUDA関連 cuda-toolkit 13.0.3.0 / nvidia-cuda-runtime 13.0.96 / nvidia-cudnn-cu13 9.20.0.48 / triton 3.7.1 筆者環境のpip list | grep -E 'cuda|cudnn|triton'の解決結果 パイプライン PyPI ltx-pipelines 1.0.0(ltx-core 1.0.0同梱) 導入ログ モデル LTX-2.3 22B distilled 1.1 + spatial upscaler x2 1.1 + Gemma-3-12B(テキストエンコーダ) ─ 量子化 QuantizationPolicy.fp8_cast() 実行ログquantization=fp8-cast 検証日 導入・実測とも2026-07-18。資料の再確認は2026-09-08 ─ この表のカーネル・Python・PyTorch・CUDA関連の各バージョンは、いずれも筆者環境で実際に解決された構成の記録であり、公開情報源で第三者が検証できる性質のものではありません。ディストリビューション名とバージョン文字列は今回の記録に残っていないため、カーネル版のみを載せます。x86 + 単体GPUの比較機は手元にないので、他環境との横並び比較はこの記事では行いません。 ...