Codexとは──5つの入口と実行環境の選択で『自分のコードが動く場所』が変わる、手元45リポジトリの棚卸しつき
Codexとは、OpenAIが提供するAIコーディングエージェントです。ChatGPTの会話が「答えの文章」を返すのに対し、Codexは実際にファイルを読み、コマンドを実行し、差分(diff)を返します。 最初に一番大事な区別を書きます。公式ドキュメントの「Available on」に並ぶ項目は ChatGPTデスクトップアプリ / Remote / ChatGPT(web) / Codex CLI / Codex IDE拡張 / Codex cloud の6つで、これとは別に「Developers」配下に Codex SDK が掲載されています(learn.chatgpt.com/docs、2026-09-15確認)。本記事ではこのうち CLI・IDE拡張・cloud・ChatGPTアプリ・SDK の5つを入口として扱います。自分のコードが動く場所は、入口と、そこで選ぶ実行環境の組み合わせで決まります。Codex CLIとIDE拡張は通常のローカル利用では自分のマシンの中で動き、Codex cloudはOpenAI側の環境で動きます。ChatGPTデスクトップアプリでは、Local・Worktree・Cloudから実行場所を選べます(learn.chatgpt.com/docs/environments/modes、2026-10-04確認)。この違いは秘密情報の扱いに直結します。 この記事の日付について。 2026年9月15日に調査・執筆し、公開日の2026年10月4日に料金・実行環境・権限設定などを公式ページで再確認して更新しました。本文中の「2026-09-15確認」は執筆時、「2026-10-04確認」は公開前の再確認の日付です。筆者環境の計測値は、断りがない限り2026年9月15日の記録です。2026年10月11日に第6節の「Codexは無料で使えるか」、第9節の「AGENTS.mdの書き方」、第10節・第11節、よくある質問3項目を追記しました(「2026-10-11確認」はその日の確認です)。 この記事でわかること Codexを一文で説明できるようになる(そしてChatGPTとの違いを表で押さえる) CLI / IDE拡張 / cloud / ChatGPTアプリ / SDK の5つの入口で、コードがどこで実行されるかを一次資料付きで確認できる 料金プランと5時間ウィンドウの上限、クレジットの換算式の読み方が分かる サンドボックスの3モードと承認の設定を知り、「勝手に実行されないか」に自分で答えられる AGENTS.mdとは何か、CLAUDE.mdと何が違うかを、手元45リポジトリを数えた結果とあわせて把握できる 別のCodexを探している方へ。 本記事はOpenAIのCodexだけを扱います。食品規格のCodex Alimentarius、WordPressの旧ドキュメント群であるWordPress Codex、冊子本を意味するラテン語のcodex、ゲーム内の図鑑を指すコーデックス、バンドのOLDCODEXは、いずれも別の語です。以降は一切触れません。 1. Codexとは──定義と、ChatGPTと違うところ Codexとは、OpenAIのAIコーディングエージェントです。公式リポジトリはCodex CLIを「a coding agent from OpenAI that runs locally on your computer」(openai/codex GitHub、2026-09-15確認)と説明しています。この「ローカルで動く」はCLIについての説明で、Codex cloudはOpenAI側の環境で動きます。 ChatGPTに「このバグを直して」と貼り付けると、返ってくるのは修正後のコードを含む文章です。貼り直すのは人間の仕事です。Codexに同じことを頼むと、Codexがリポジトリの中を自分で探し、該当ファイルを開き、書き換え、必要ならテストを走らせます。人間がやるのは、その差分と検証結果を確認して、変更を採用するかどうかの判断です。 観点 ChatGPTの通常の会話(ツールを使わない場合) Codex 入力 人間が貼り付けたコード片 リポジトリそのもの 出力 文章とコードブロック ファイルへの差分、コマンドの実行結果 ファイル操作 しない する(サンドボックスと承認設定の範囲で) コマンド実行 しない する(同上) 指示ファイル なし AGENTS.md を作業前に読む 人間の役割 コピー&ペースト コマンド実行の承認と、差分のレビュー 「文章をもらう」か「差分をもらう」かが、実務上いちばん大きい差です。 ...